『ハンガー・ゲーム』映画と小説の違い


ハンガー・ゲームはアメリカの大ヒット小説で映画化もされた。
ただ小説と比べると映画の方はあまり盛り上がらなかった記憶がある。
映画と小説の違いについて書いてみた。

構成

小説『ハンガー・ゲーム』は3部作である。括弧は原題。

  1. ハンガー・ゲーム(The Hunger Games trilogy)
  2. ハンガー・ゲーム2 燃え広がる炎(Catching Fire)
  3. ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女(Mockingjay)

対して映画のほうは4部作だ。
小説では3作目に当たる『ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女』がパート1とパート2に分かれている。

  1. ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)
  2. ハンガー・ゲーム2(The Hunger Games: Catching Fire)
  3. ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス(The Hunger Games: Mockingjay – Part 1)
  4. ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション(The Hunger Games: Mockingjay – Part 2)

邦題ではFINALのパート1とパート2が判りにくくなってしまっている。
DVDなどで鑑賞する際はレジスタンス、レボリューションの順番で見ましょう。

小説『ハンガー・ゲーム』と映画『ハンガー・ゲーム』の違い

個人的には小説のほうが面白いとおもう。
映画ではカットされていたり、別のエピソードに置き換わっていることがいくつかある。

カットニスと母親の関係

映画ではカットニスと母親の関係についてあまり触れられていない。
カットニスはダークな髪の色で、母親と妹は金髪。髪の色はそのとおり映画でも再現されていた。
(カットニスを演じたジェニファー・ローレンスは金髪だが、役のために髪を染めた)
しかしカットニスと母親がどれほど違う人間なのかは表現されていなかった。
小説にはカットニスがなぜ母親を信頼しないのか、なぜ妹だけを大切に思うのかということが描写されている。

カットニスは父親を炭鉱の事故で亡くしている。
そのとき母親はショックのあまり椅子に座ったきり動かなくなってしまい、数週間子どもの世話をしなかった。
その間カットニスは父親の遺品や妹が着れなくなった服などを闇市に持っていき、食べ物を得ていた。
しばらくして母親は自分を取り戻し、仕事も家族の世話もするようになる。
しかしこのネグレクトが原因でカットニスは母親を信頼しなくなる。

「刈り入れの日」にカットニスが妹の代わりに志願するのは、彼女には妹のほかに大事なものがないからだ。
そしてプリムの世話をゲイルに頼むのは母親を信頼していないからである。
自分が死んでしまったら、母親はプリムの世話をしないかもしれないと心配してたのだ。

マネシカケスのピンの由来

カットニスのトレードマークになるマネシカケスのピンも小説と映画では出処が違う。
映画では「刈り入れの日」の抽選より前に闇市で売りに出ていたものをタダでもらう。
狩りができて闇市に商品を供給できるカットニスは地区の人々から一目置かれている。ということを表しているのかもしれない。
小説では町長の娘マッジから「刈り入れの日」の抽選の後にもらう。マッジは「無くなった叔母のものだ。」と言うが、まだこの時点ではその叔母が何者なのかは解からない。続編で叔母は第50回のハンガー・ゲームで死んでいることが解る。

ピータとカットニスの出会い

小説でも映画でもピータは常に疑いの目を向けられている。
人殺しなど出来ない善良な男なのか、虎視眈々と生き残りを狙う侮れない男なのか。
映画では特にこの部分がスリリングに描かれていて、ピータがかなり不気味に見える。

例えば、ピータがインタビューでカットニスへの思いを打ち明けると、カットニスは怒るのだが、ヘイミッチは「お前の価値も上がった。」と説得する。
カットニス自身も自らのインタビューは”ドレスを着て回るだけのバカな少女”でしかなく、ピータの援護が無ければ自分をアピールできなかったことを認めつつもピータの行いはカットニスのためなのか、彼が生き残るためなのか判断がつかない。
こんな感じでカットニスはピータが何をしても裏の意味を探るのが常だったが、洞窟の中でピータが語る彼女との出会いの話には少なくとも1つの事実が含まれていたことから彼を信用するようになる。
それはカットニスの父が持っていた特別な才能についての話だった。
昔から彼女の家族を知っている人でなければ知るはずのないことをピータが語ったので、カットニスは彼を信じることにしたのだった。
映画にはこのエピソードがなく、カットニスがただ情に流されているように見えるのが残念だ。

アボックスの少女

小説にはキャピトルの反逆者とカットニスの絆を印象づけるエピソードがある。

カットニスは刈取りの日を迎える以前に地区の外でキャピトルから逃走中らしい少女を見かける。
地区の外に出ていること自体が違反であったため、カットニスはその少女が捕まえられるのをただ隠れて見ていた。
キャピトルに到着後、彼女の身の回りの世話をしたのはその時に助けなかった少女だった。

キャピトルに反逆したものは舌を切られ労働を強いられることになる。それがアボックスだ。
アボックスは舌がないから言葉を発することができない。そして人々はアボックスに命令意外の言葉を掛けることは禁じられている。

少女を見捨てたことには罪悪感を感じていたカットニスは少女との会話を試みるが少女は答えられない。
カットニスは自身が話しかけたせいで少女に罰があるだろうと済まない気持ちでゲームに赴く。
最後にアボックスの少女とカットニスはお互いが生きていることを喜び合う。

ピータの足

小説では生き残ったピータは片足を失い、義足になる。
足から大量に出血していたピータを生かすために、カットニスは足が壊死する可能性を知りながらもきつくピータの足を縛ったのだった。
カットニスはこのことでピータに負い目を持つことになる。

他にもケイトーの死に方など細かな違いはたくさんあるので、映画を見た後で小説を読んでも楽しめると思う。


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